・原口総務相弁明…ツイッターで津波情報流してた : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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・原口一博 トップ
上記の読売新聞の記事から考えてみた。
まず、原口総務大臣の行動で問題となるのは、彼個人(と思われる)アカウントでTwitter上の他のユーザーに対して地震・津波情報を流したということである。はてブのコメントを見る限り、正確な情報だったから問題ないとか、Twitterで公的情報が流される事は画期的だというものが多い。しかし、ここで問題なのは彼個人(と思われる)アカウントから発信されたという事が問題なのであって、情報の内容が問題なのではない。
というのも、まず先ほどから何度も「(と思われる)」と繰り返しているのは、@kharaguchiが現総務大臣の原口一博氏が直接に運用するアカウントか否かがはっきりしないから、その情報がまず第一に信頼できるか否かが分からないのである。
まず原口氏の公式サイトである。こちらを公式サイトと呼べるのは、民主党のプロフィールページに「ホームページ」として同サイトが記載されているからである。
・民主党:議員プロフィール 詳細 Who's Who
しかし、ここから@kharaguchiに飛べるリンクがないのである。トップページの「お知らせ」にはTwitterへのリンクとして「http://twitter.com」があるだけだ。Googleで「site:haraguti.com Twitter」で検索したが、@kharaguchiへのリンクはなかった。
・site:haraguti.com twitter - Google 検索
また、Twitterの公式ナビサイトである「twinavi」において「政治」のジャンルで@kharaguchiは紹介されていたものの、twinavi公認ではなかった。
・twinavi:Twitter有名人アカウント一覧:政治
また、Twitter自身で行なっている「Verified Account」というサービスにおいても「認証済みアカウント」とはされていない。
・原口 一博 (kharaguchi) on Twitter
なお、Twitterの公式サービスによる認証済みアカウントは以下のアカウントのように、名前の上に「認証済みアカウント」と表示される。
・Mandy Jiroux (MandyJiroux) on Twitter
・Twitter : 認証済みアカウント
以上のことから、@kharaguchiが現総務大臣の原口氏のアカウントかどうかは客観的には判断できない状況にある。鳩山首相が認証済みアカウントであることを考えると、このような状況のままにアカウントを放置し、その上で公的情報を流したことに問題があることが分かる。
・鳩山由紀夫 (hatoyamayukio) on Twitter
しかし、だからといって「認証済みアカウント」であるからといって公的情報を流しても良いかは、別の問題になる。
次に問題になるのは、そのアカウントは「公人」か「私人」かという問題である。アカウントに人という概念を当てはめることは間違っているかもしれないが、基本的にはそのアカウントを使う人の発言がそのままに記載されるのであるから、人として考えても問題はないだろう。
Twitterにおいてもブログにおいてもそうであるが、それが公式なアカウントであればあるほどに公人としての発言なのか、私人としての発言なのかを区別しなければならない。何故なら公人としての情報なのか否かというのは情報の受け手にとって重要なことであるからだ。そのアカウントの発言を真に受けて良いのか、それを政府の公式見解として捉えて良いのか、それを決める基準として「公人か否か」というのはとても重要である。私人としての発言なら取り合わない人もいるが、公人としての発言ならばその影響力は私人としての発言に勝る。津波情報に即して言えば、@kharaguchiの津波情報Tweetを公人としてのTweetと判断してよいのか、アカウントのプロフィール「原口一博です。よろしくお願いします。」からは判断できない。
もし、なりすましアカウントによって、さも政府の公式見解かのようなTweetがReTweetされまくった場合、大きな混乱を生じさせる恐れがある。TwitterはそのTweetのみをReTweet、つまり引用してTweetする為に前後のTweetが抜けてしまい、誤解を生みやすく、なりすましアカウントによって容易にデマを流布することができてしまう。あり得ないかもしれないが、あり得ないとも言い切れず、これはアカウントのパスワード管理についても同様のことが言える。例えば鳩山首相のアカウントが乗っ取られ、「宣戦布告なう」などとTweetされた日にはどうなってしまうだろうか※。
先日では、中国においてGoogleの提供するGmailもハッキングされ、メールにアクセスされそうになった。Twitterを使えば、多くの人に対して簡単に発言できるようになった反面、乗っ取られればその影響力を利用されかねない状況にもある。個人が運用しているアカウントが公人としての役割も果たしている場合には、パスワード管理についても注意する必要がある。
だから例えば総務大臣としてのアカウントを作成し、公人としてのTweetはそこに行ない、公務中ではない時の私人としてのTweetは@kharaguchiに行なえば他のユーザーには分かりやすい。@Ministry_MICなどを作り、Verified Accountにし、さらに総務省からアカウントページに直接リンクを貼れば済むし、広報用アカウントとしても利用できるので、より国民に近いところから政府の情報を発信できるようになる。
プロフィールに現職の地位を明記することである程度の解消にはなるかもしれないが、根本的解決にはならないだろう。そもそも大臣というのは恒久的に就任できる地位ではない。その時々の政権によって、または内閣改造によって人員が整理され、新たな人物が大臣に割り当てられる。その時、私人としてのアカウントが公人としてのアカウントの役割も果たしていた時、スムーズに公人としてのアカウントの役割を引き継ぐことができるだろうか。
特に前回の総選挙のように、与野党が逆転した場合には特に難しいのではないか。大臣職の引き継ぎ式の際にアカウントを紹介しあい、「引き継ぎなう、今日から@×××が大臣」とでもTweetすれば良いのかもしれないが、Twitter上の情報は基本的には過去に溯って見るという使い方はされない。元大臣がTweetしていけば、引き継ぎのTweetもログの中に埋もれてしまう。かといってプロフィールに掲示し続けるのもどうだろうか。また掲示の期間についても、既に公人としてのアカウントの役割を果たしてしまった訳だから拘束することも難しいのではないだろうか。
そのような自体が予測される為、総理大臣、外務大臣、総務大臣といった個別の地位のアカウントを設けてしまった方が管理もしやすく効率的であるように思える。また、政府機関は、情報を正確かつ迅速に伝える必要がある。政府機関による情報は国民の行動に多大なる影響力を持つからであり、その点で今の現職議員・大臣のTwitter利用法は、迅速というポイントはクリアしているかもしれないが、「正確」というポイントは全くクリアしていないように思われる。
なお、はてブの「既得利権うんぬん」のコメントについては問題の本質とは逸れるので、ここでは取り上げない。果たして読売新聞が、このような問題があることを知っていながら、原口氏の記事を書いたのかは疑問ではあるが。
ちなみに、アメリカ中央疾病管理局(CDC)を名乗るアカウントは「認証済みアカウント」である。
・CDC Emergency (CDCemergency) on Twitter
※鳩山首相のアカウントの場合は首相執務室に専用モニターがあることから、内閣府によって管理されているのかもしれない。しかし、同アカウントの自己紹介に「政治の話に限らず、身辺に起こったいろいろな話題について書いていければと思っています。」とあることから、同アカウントが「公人」と「私人」の両方の役割を担っているアカウントであり、不用意な発言が掲載されかねない状況にある。
2010年3月2日火曜日
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