普天間基地を移転するという前提から考えると、移転するべきという意見になり、前提は正しいと考える。世界一危険な基地と呼ばれるだけあって、周辺には一般市民の建造物が多く、墜落事故があれば大被害は免れない。基地の必要不要はともかくとも、普天間基地を廃止/移転するという前提は間違ってはいないだろう。
・普天間基地周辺 - Googleマップ
・厚木基地周辺 - Googleマップ
普天間基地は滑走路の延長線にも一般市民の建造物が多く存在する。一方で厚木基地は滑走路の延長線上には比較的建造物の少ない地域が続いている。
では、どこに移転すべきかという話になる。 今、与党内部で出ているのは大別して国外案・県外案・シュワブ陸上案・日米合意案だとすると、日米合意案が妥当になる。
国外案は論外だ。普天間基地を含めた沖縄に存在するアメリカ軍は、中国による台湾の武力併合を抑止している。特にヘリ部隊が数十分から数時間以内に台湾にアメリカ軍の兵士を上陸させられるということは、二つの中国にとって重要な意味を持つ。
確かに台湾は中国に友好的な政党が与党になっている。しかし、その与党がいつ変わるかは台湾に住む人々次第である。例えこのまま親中派が与党のままだとしても、武力併合の可能性は残っている。いくら親中派と言えども、自国領土を捨てるという売国行為を公然と行なうとは考えにくい。親中派にしろ、台湾に中国とは独立した政治体制があるから政権を運営できるに過ぎないからだ。
では、現日本政府が普天間基地から全ての部隊を国外に移転させた場合はどうなるか。それは中国に対して誤ったメッセージを発する可能性が高く、それをきっかけに台湾が武力併合された時、日本政府はどう対応するのだろうか。普天間基地に所属するヘリ部隊はアメリカが中台紛争に介入する意思があると示すものである事が世界的にも認識されているとすれば、日本政府は台湾を見捨てたという見方が成立してしまう。中国の人権の取り扱い方、共産党による一党独裁に対する批判は西側諸国を中心として根強いことを忘れてはいけないだろう。県外案も同様の理由から難しいだろう。台湾介入までの所要時間が増えるようなことがあっては、中国による武力併合が早期に完了した場合、アメリカは介入できなくなってしまうからだ。
シュワブ陸上案はどうだろうか。一見、海洋を汚染せず、失わず、合理的な選択のようにも思える。しかし、陸上部に代替基地を建設する場合、滑走路の延長線上に集落が存在する可能性がある事が問題になる。これでは普天間基地と同様の問題を抱えることになる。騒音問題に部品墜落が発生した場合、強力な基地反対運動が展開されるかもしれない。
ということは、やはり日米合意案が最も適切な普天間基地移転に伴う代替基地建設計画として浮上してくることになる。
何よりも重要なのは、台湾が中国によって武力併合されないということである。中国が台湾海峡に配備するミサイルの数は増えることはあっても減ってはいない。少なくとも軍事的圧力を弱めるつもりはないのである。
また逆に台湾が中国によって平和的に併合されるなら、それはそれで当事者同士の合意に基づいているのだから何ら問題はない。普天間基地に所属するヘリ部隊はあくまで「武力併合」を防ぐものである。つまり、中国・台湾における地域的な平和を維持しようというものであって、決してアメリカが好戦的な態度でそこに駐留している訳ではない。
もし普天間基地の代替基地を海外に設けることを考える政党がいるとすれば、それは台湾の人々が武力によって権利を侵害され、国を失ってしまうという反平和的行動を追認するということを認識しているとしか思えない。憲法が規定する、国際社会に対する貢献はどこに行ってしまったのか。
自国がよければそれで良いという考えでは、こういう案を考える政党的なアメリカ観がぴったりと日本自身に当てはまってしまう事に気付かないのだろうか。いい加減、武力=悪という考えを改めて頂きたい。
2010年3月10日水曜日
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